東京は曇り。
親友の結婚式に参加し、一夜明け、胃袋に重圧感を感じたまま帰りの支度をする。
結婚祝賀会御席順と書かれた座席表をもう一度手にする。
高校時代、朝まで遊んだ仲間達の名前・・・。
祝福する仲間達の笑顔を思い出す。
卒業以来、全く連絡を取ってない仲間もいた。
久し振りに会ったもんで、会話がぎこちなかったりもした。
友人代表の挨拶は、上京したての頃によく3人で遊んでた、もう一人の親友。
今は、千葉で水道屋さんをやってる。
そう、デビューする前に千葉県の行徳で水道屋の社員として働きながらバンド活動をしていた頃、人手が足りなかった事もあり、その親友を誘った事がきっかけで、今でも水道屋さんとして頑張ってる。
今では、自分の会社を持つようにまでなり、東京の厳しさと必死に闘ってる男だ。
上京して4ヶ月が経った頃、やっと決まったライブの日が出勤の日で、3週間も前から休みが欲しいと必死に上司にお願いしたが、結局はそんな休みは認められないと言われ、会社を辞めるという決断に至り、寮を出て何処も行く所が無くなった俺を、自分一人でも大変だったろうに、受け入れてくれた男気溢れる男でもある。
友人代表でマイクに向かって話す姿は、見るに耐えない程、オドオドしていたが・・・。
そんな友のスピーチで色んな時代の想い出が蘇る。
苦しかった日もたくさんあったけど、楽しい日ばかり一緒に過ごして来たような気がした。
未だにどこか頼りなさが残ってた新郎の表情が、最後の挨拶の時には、一家を支える大黒柱の逞しい表情に変わってたのが印象的だった。
それぞれが、色んな道をたどり歩いて来たけど、あの時から何も変わらない笑顔に、最近ではあまり意識していなかった「友情」ってものを感じることができた。
GLAYのメンバーは、どんな時も共に闘って来ただけあって、家族のような存在だったりするけど、それとは違う関係を久々に感じて胸が熱くなった。
その後、2次会では、新郎新婦の友人が集まり宴が続いたんだけど、何せ新婦が21歳って事もあり、友人も全て21歳前後の女の子・・・。
ジェネレーションギャップって言うんでしょうか?
死語を使わせて頂くと「キャピキャピ・・・」。
パワーに圧倒されながらも、楽しくワイワイ大騒ぎ。
勢いにのった俺が、1曲歌わせてもらいますと言った瞬間に、みんなの盛大な拍手が!
かた〜いきずなに〜♪と歌いだしたら、え〜〜〜〜〜っ!!!と、どよめきが・・・。
GLAYじゃないの〜???との声もちらほらと・・・。
イイじゃね〜か〜、好きなんだもんよ〜。
っていうか、お祝いの歌の定番っつったら、長渕剛さんの「乾杯」だろう?
ってことで、そんなどよめきも何のその、しっかり歌いきらせて頂きました。
そんな楽しい時間が刻々と過ぎる中、絶えず嬉しそうな表情で仲間達に囲まれる友の顔を見られて本当に良かった。
そう言えば昨年、新郎新婦が2人で家に泊まりに来た時に、結婚の報告を受け、3人でお祝いをしたんだっけ・・・。
あの2人も色々あったな〜・・・。
いつも周りの友人達に心配ばかりかけてたな〜。
そんな事を思いながら、身支度を済ませ、朝食を摂りに食卓へ。
驚いた・・・。
父親が、朝3時半に起きて、俺とオッカに食べさせたいからと釣りに出かけ、釣って来てくれた「あぶらこ/あいなめ」が刺身で並んでいた。

あっ、これが実家の食卓。
いつもこんな感じ。
・・・・・・・・・・・・・・・。
んなわけないって、豪華過ぎでしょう!
でも、よく見ると、頂き物ばかり。
カニとウニは山口商店の気前の良いおじさんに貰ったものだし、塩辛は親戚のおじさんに貰ったもの。
どれもこれも美味かったな〜。
やっぱ1番美味しかったのは刺身。
父親が釣って来てくれた魚を母親がさばいてくれた。
なんかさ〜、朝食の時に思ったんだ〜。
どんな高価なものより、さりげない愛情が詰まったものって、心に響くな〜って。
ひょっとしたら、慌ただしい日々を送っていたら、そんな些細な出来事に気付けなかったかもしれないんだけど、心に少しだけ余裕を持たせて生活すると、色んな発見があるのかもね。
僕も、そんなさりげない愛情を注げるような人でありたいもんだ。

